これは2010年1月大連時代の物語でございます。目的地は超絶美しい樹氷を見ることができる霧淞島です。まずは大連から夜10時発の寝台列車にて旧満州首都の新京であった吉林省長春へ。夜行(鈍行)列車で約8時間半と一晩寝れば到着できる丁度良い距離。

朝6時半に到着!ですが死ぬほど寒い・・・・この年は特に寒い年で例年よりもはるかに寒い零下30度の世界を初体験。耳がちぎれる・・・・スーパーでニット帽とふかふかの中敷を購入。
零下30度にもなってしまうと普通のスニーカーでは足が凍傷でダメになってしまうのと、ニット帽無しでは髪の毛が凍ってしまいます。非常に厳しい世界でございます。
目的地は長春ではなく吉林市なので列車を乗り換えます。席が一緒だったおっさんたちに
そんな靴と服で来たのかよ(笑)と・・・・。やはり服を買い足す必要が出てきてます。
吉林市に到着後はバスに乗り換えて雾凇島へ。雪が死ぬほど積もっているので3時間近くかかりました。

松花江という川の中州にある小さな小さな満州族の集落です。地球の歩き方をはじめとする日本のガイドブックには載ってないため日本人はまず来ないとの事。
今は少し観光地化されているようですが当時はホテルも無く来る人もまだまだ少ない場所でした。
ここでは中国四大奇観の一つに数えられる雾凇を拝むことができます。
吉林市の街中でも観測はされますが、ここは島全部が雾凇でおおわれております。
川の水が蒸発して空気中で凍結し気に張り付くというのが雾凇の発生原理で天候条件が整っていないと見ることができないようです。
今回は条件ばっちり!零下30度近くで川の水も凍っていない。なので川の水が蒸発する条件も整ってます。川を見ると湯気が立ち込めていました。(川の水は約0度)外は零下30度なので30度差もあり川の水が蒸発するのです。
なぜそんなに寒いのに川が凍らないのかというと、旧満州国時代1937年に日本人が作った豊満ダムが影響していてダムの水温が若干高いためそこから流れ出る川の水温も高いのだとか。
中国は既に色んな所へ行き色んな美しいものを見ているが・・・・ここがNO1だ。すごすぎる。雪との違いは雪は上から降ってくるので木の枝の半分(下)は雪が無いのに対して雾凇は湯気が空気中で凍っているので木全体細かいところまで白くなっているのが非常に美しい。

あまりに寒かったんので農家のおじいちゃんに防寒具とブーツをお借りしました。
村人の家へホームステイ。床暖房が効いててあったまります。食事もうまいです。
テーブルもいすも使わないで布団で寝るところや亭主関白なところは昭和前期の日本人の生活様式と似ていますね。とても親切なおじいちゃんとおばあちゃんでした。布団で3人川の字になって寝たのはいい思い出です。

2010年時点で日本人観光客は珍しいと書きましたが1945年以前はこのエリアには日本人も相当数住んでいたようです。この爺と婆も日本人に合うのは初めてではないと。幼少期で記憶も曖昧だが自分の両親は日本人とは仲よくやっていて助け合いの暮らしをしていたそうです。
旧満州エリアでのご老人と話をすると色々と過去の話を聞くことができます。もちろん実質異民族の日本人が建てた傀儡国家なので当時に戻りたいというのは無いが、一般市民であった彼らにとっては日本人=悪人という構図ではなかったように思えます。
中国での反日の話ですが、旧満州エリアの東北では柳条湖事件があった瀋陽以外では反日デモが起こることは意外と少ないです。また当時の当事者であったご老人からは日本人憎しという話を聞くケースは半分も無かったと思います。
しかし広東エリアなど旧満州エリアから遠く離れた所の人たちは東北人は反日が厳しいから東北に行くときは最新の注意を。と僕に決まって言ってきます。広東は旧満州とは直接関係ないのにそれが原因で反日になっていたり東北は反日だと思い込んでいる人も多くいます。
この件についてはいつか考察論文でも発表したいと考えております。
さて!次回は吉林市内と大都会長春です!
ではでは!
1件のコメント