中国 貿易

中国ってどんな国?ビジネスマンが知っておくべきリテラシー編⑫対スタッフの話補足

投稿者:

前回記事で対従業員交渉の話を書いてきましたがちょっと補足をしたいと思いますのでもう少しこの話題にお付き合いいただきたいと思います。


管理職になるという事は人を評価しなければならないことも多々あり人の人生に影響を与えてしまったり人事評価が組織に大きく影響を与えたり日本人従業員以上に評価に対して非常に敏感なので管理職になる覚悟が日本国内にいるより求められます。
今回は少し極端に書くので状況に応じて程よいさじ加減で行きましょう。

目次:


人事部の権限について

一般的にというかよく見かける話で中国やアメリカの企業と日本企業と大きな違いのうちの一つとして人事部の権限があったりします。

日本国内の日本企業は人事部に大きな権限があって人事戦略や採用や解雇、人事評価などの各種人事に関する権限が人事部に集中している印象です。
海外では基本的に人事権や組織などは各セクションの部門長が握っていくことが多く人事部は人事に関する事務作業(解雇、入社、募集、社会保険などの手続き)をメインで行っていることが多い印象です。


海外にある日本企業もその傾向なので日本から管理職として赴任してくるケースなどでは少々戸惑ったり部下へ正当な評価ができていなかったり前回記事のように部下の押しに負けてしまいあやふやな評価をしてしまっている状態を時々見かけます。

人事権はあなたの手元のあることを良く理解し管理職になる覚悟をしっかりと固めましょう。それほど重い話なので覚悟が必要です。

中国 貿易


人事評価について

中国では日本以上に自己評価の高く客観的に自分を見ることが得意で無い社員を見ることが多く人事評価でモチベーションを下げてしまったり喧嘩になったり離職を招いたりといったことを時々見かけることがあります。
頑張ったから給与を出せというのはプロとしては正しいしここに関しては日本人サラリーマンの方が正しくないような気もしますが感情がルールに優先しがちな中国人に対しては注意するポイントがいくつかあります。

人事評価も基本的には学校の通信簿と同じ

ここでは何が言いたいか?皆さんよーく思い出してみてください。
学校の通信簿はどうだったか?今いる会社の人事評価はどうだったか?なぜ学生時代に通信簿の内容について学校側に抗議をする人はほぼ皆無なのか?

学校の通信簿はどんなものか?

  • 初めから評価基準が明確になっている
  • 評価基準が公開されていて本人も理解をしている
  • 努力の結果が分かりやすく反映されている

人事評価でモメるパターンは・・・

  • そもそも明確な評価項目が設定されていない
  • 設定されていても評価される側が何を評価されるのかを知らない
  • 管理者も分かっていない

こうなってしまうとお互い信頼感も無く恣意的な評価も起こりがちになってしまいます。また、評価基準が分からないスタッフは何を頑張っていいのかも不明瞭になってしまい出てきた評価に対しての納得感は確実に低くなってしまい抗議の対象になります。

そもそも管理者に責任感が無いことに起因しているケースも多いので冒頭で覚悟はあるのか?という話をしています。
そして上記事象が起こらずお互い納得できるものにするためには極力感情が入り込む部分を少なくしていくことが必要になってきます。


管理者としてやること・・・・

  • 評価基準を明確に設定(極力数字で表せるもの)
  • 設定したら徹底的にスタッフへ説明し納得させる
  • 評価に対する定期的なコミュニケーションをとる

特に2番目と3番目は大事だと筆者は考えています。筆者の周りでも1番目の策定まではできてもその後ほったらかしになり結局納得感も無く喧嘩になるパターンが散見されています。

現時点での達成度や現時点での評価は定期的なフィードバックとコミュニケーションが必要です。今日本でも1on1を時間を取ってやる企業も増えていますが無理して時間を取らなくてっもタバコを一緒に吸うとかちょっとコーヒーを飲むとか顧客現場へ向かう途中とかの時間でも十分にコミュニケーションをとることができると考えています。

山登りをしているときもゴールまでどのくらいの距離なのかを知りたくなりますよね。それがわからないと疲れも倍増してしまうのと不安感も増してしまいます。

結果が出たら根拠を出して説明する

簡単に抽象的に言うと部下ときちんと向き合うという事です。ただし向き合い方もポイントがあって評価のものとになった根拠をきちんと出しましょう。
その為にも上記基準はきちんと決めておく必要があります。
根拠も説明もなく結果だけを見せられてしまえば不信感を抱くのも当然です。

一部感情論も必要

人は機械ではないので感情が入ることも多々あります。上記内容は感情論と少し相対するものですが人間なので0にはできません。
評価項目の中に感情で判断できるものも一部入れておくのは悪くないと思います。
(配点はかなり低く設定しておきましょう)

何故必要かと思うのは人とのコミュニケーションの基本として共感と承認があります。スタッフというのは承認欲求が服を着て歩いているものと思ってOKです。
したがって口頭だけではなく上司個人としての承認も一部正式な評価に入れてあげるとモチベ向上の役には立つことが多いです。

中国 貿易


面談に必要なもの

既に上で少し述べてしまってますが論より証拠です。少しでも付け入るスキがあると相手に感じられてしまっては評価もへったくれもありません。交渉で評価が変わってしまうのであればそれはまともな評価ではないでしょう。

そこで面談前の準備が非常に大事。

  • 評価についての面談であればその根拠
  • 改善を求める面談であればその証拠
  • 不祥事についての話し合いでもその証拠

客観的に目に見えるものでなければ人事評価も崩れてしまい公平な評価が出来なくなり他のスタッフの不平不満を生み出すことになりかねないです。
面談の内容や評価、給与などは公開されている秘密と考えて問題ないです。
「あいつがなんであんなに」といったことになるのは避けたいですね。

因みに面談にもいろんな種類があるので上記内容はあくまで評価だったりとか改善を求める場合での話ですので全てには当てはまらないというのを念頭においてください。


冷酷さも必要

前回記事でも冷酷さについては言及していますがここではスタッフをクビにするのかどうかです。
在中日系企業は基本人をクビにしないと言われていますが日本人マネージャーが従業員をクビにできないもしくはクビにする勇気が無い等の理由が挙げられます。

以前ある日系企業の現地法人社長と飲んだ時に従業員の処遇に関する相談を受けて筆者はクビにしてしまいましょう!と言ったところ相手からはぶっ飛んでるな・・・と言われました。その反応自体は日本人感覚なのかもしれませんが日本企業の平均給与が低い要因の一つになっていると考えています。

日本でも「仕事をしないおじさん」が結構いたりしますよね。
割と海外ではあっさりクビになったりします。
そんな仕事をしない人と頑張っている人が同じ給与で同じ労働時間なのは中々に不公平であるともいえるかと思います。また、腐ったミカンは伝染していきます。

中国においては人をクビにするのは中々ハードルが高いですが不可能ではないので法律に則って切ってしまうことは可能です。
抵抗されることもあるかもしれませんがその際には前回記事の交渉術を活用して乗り切りましょう。中国ではそもそも転職が当たり前で仕事を失う事の人生への影響度は日本に比べればまだ全然マシです。

因みにクビにするパターンをいくつか列挙すると・・・・
①労働契約期限到来時に企業側の都合で契約更新をしない
②労働契約期間中に双方協議の上会社都合で契約解除
③強制的に契約解除

①は退職時の経済保証金は不要。期限到来なので厳密には更新しないであってクビではない。会社都合で裁判にもならず100%問題なくサヨウナラが出来る。
因みに一般的なのは入社1回目の労働契約は1年契約、1回目の更新で3年契約、2回目の更新で終身雇用ですが、3年契約で続けている会社も多く、双方の意志に基づきます。

②は少々リスキーですが面談時の証拠を出すなり交渉術を活用するなりで双方協議のうえで経済保証金を出して会社を去ってもらいます。
交渉決裂し、継続して出勤しますとなった場合は止めることができません。
因みに中国の労働法ではクビにする場合は、①改善のための研修をやったか?②部署変更で改善がされたか?を問われます。①と②のどちらかがOKであればクビにすることができるというものです。

③強制退場は裁判になるリスクが大ですがそれでも違法解雇する場合は経済保証金を②よりも多めに支払わなくてはいけませんのでコストがかかります。
しかし収益の無い従業員に給与を支払い続けることを考えると解雇時に発生するコストなど安いものなのかもしれません。

中国 貿易


クビにする際の経済保証金の計算は基本的にはN+1と言われます。
Nは勤務した年数で1は1カ月分の給与ですね。計算方法は例えば勤続2年で10000元の月給だった場合2*10000+10000=30000元になります。

以上補足という割には長くなってしまいましたが参考になればうれしいです。


旅行予約サイトの紹介

筆者は色々な人からどこで航空券や宿を予約しているのかを聞かれるのですがほぼtrip.comです!かなり安く国際航空券を手配することができサービス対応も旅行業界ではトップクラスと考えています!筆者が自信をもっておススメしますので是非お試しください!

使い方はこちらです。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です